概要
家で飲むコーヒーの美味しさにグラインダーで挽いた粉の粒度分布が大きく関係します。「自分のグラインダーで今どんな粒度の粉が出ているか知りたい」。コーヒー愛好家なら一度は感じるこの疑問を、スマートフォン撮影のJPEG画像から粒度分布を自動計測するPythonツールGrindGuideで解決することを目指したプロジェクトを進めています。
本発表では、このプロジェクトを通じて得た「設計からAI機能実装まで」の実践知識を共有します。発表は大きく3つのテーマを軸に展開します。
1. テキストC4モデルで始めるAIエージェント協調開発 最初に設計書をMarkdownベースのC4モデルとして書くことで、AIエージェントとの実装の議論に明確な「共通認識」が生まれました。コンテナ・コンポーネントの責務分担が文書化されていることで、AIエージェントの実装過程の方向性確認や進捗管理がスムーズになった経験を紹介します。
2. Python × OpenCV × ImageJによる計測の完全自動化 スマートフォンで撮影した画像から、OpenCVでスケールを自動検出しpx/mmを算出、ヘッドレスFiji(ImageJ)で粒子を測定、KDEプロットと統計値を返すパイプラインをPythonで構築しました。手作業ゼロの計測フローの実装上の工夫を解説します。
3. データが育てるAIレコメンドエンジン 計測で蓄積した粒度分布・抽出条件・味プロファイルを知識ベースとし、抽出プロファイルの照合で最適レシピを提案します。コーヒーの抽出は方法も好みも多様で、一つの正解を出しにくい領域です。LLMによる根拠付きの説明の生成を組み合わせ、「この粒度ならこの淹れ方が合う」を理由とともに伝えることを目指しています。「データを生むサービスがそのデータで賢くなる」設計思想についてお話しします。
スピーカーについて
大石直哉
普段は生命科学データの探索と可視化ツールの開発を主に行っています 株式会社ドッグラン代表取締役