Abstract
私は高音域の聞き取りが弱く、会話の子音や電子音をよく取りこぼします。 補聴器に助けられていますが、その中でどんな処理が走り、私の聞こえをどう変えているのかについては良く分かっていませんでした。 この小さな機械は、あらゆる音を拾って私の耳に届けるまでに、一体何をしてくれているのだろうか...? その疑問が出発点です。
本トークでは、補聴器の技術を紐解きながら、Pythonによる可視化と音のデモで、専門外の方にも分かりやすく解説します。
具体的には、NumPy / SciPy / sounddeviceのライブラリを用いて、補聴器に関連する以下の処理を実装し、図と音で確認します。
- 自分の聴力検査(オージオグラム)から、弱った高音をどれだけ補うかを決める
- ハーフゲイン則で周波数別のゲインを作る
- マルチバンド圧縮(WDRC)の入出力特性を描く
- 加工前後の音を比較する
- ハウリングが鳴る仕組みを確かめ、抑える
参加者は、リアルタイム音声処理と音響信号処理の可視化レシピを持ち帰れます。 Python の基本構文がわかれば十分に楽しめる内容です。
耳の中でずっと見えなかったものが、コードと図とデモでくっきり見えてくる——その「わかった!」という瞬間の小さな感動を、会場のみなさんと一緒に味わえたらと思っています。
About the speaker
Toru TOMINAGA
鉄道屋 → WEB屋 → 音の会社 → お宿業界 → 睡眠業界 などやってきました。
ソフトウェア開発とか音響処理とかそのあたりが好きです。